口内炎についての話
2016年11月07日
口内炎についての話
口内炎はほとんどの方が経験があると思います。そのまま放置していても自然に治っていきますが、治るまでは鋭い痛みで食事がし辛かったり、患部の違和感で口の中が気になってしまう事が多いと思います。今回はこの口内炎をできるだけ早く治し、今後できにくくする方法をご紹介したいと思います。
口内炎はなぜできるの?
口内炎と言っても実はいくつかの種類があります。今回お話しする口内炎についてはカタル性口内炎とアフタ性口内炎についてです。
◆カタル性口内炎◆
カタル性口内炎は、不十分な歯磨き、入れ歯・矯正器具、熱い食べ物、化学薬品などによる物理的刺激が直接の原因となります。赤く腫れ、腫れた部分が熱を持ち、唾液の分泌量が増加します。また、辛い食べ物などを食べたときにしみるといった症状があります。
◆アフタ性口内炎◆
お口の中でできる口内炎で一番多いのがアフタ性口内炎です。この口内炎ができる原因ははっきりと解明されていませんが、一番の要因としてストレス、疲れによる免疫力低下、睡眠不足、ビタミンB2の欠乏だとされています。また、体力が低下すると、胃腸が弱くなり口内炎ができやすくなります。 アフタ性口内炎の症状は、赤く腫れた中に2~10ミリくらいの丸く白い潰瘍ができます。症状がひどい場合、小さな潰瘍が2~3個同時にできる場合もあります。場所は頬、唇の内側、舌、歯茎などの口腔内の粘膜に発生し、通常は1週間から2週間くらいで自然に治癒していきます。
口内炎を治すには?
口内炎を治す方法はいくつかありますが、具体的な方法として以下の方法をご紹介いたします。
◆軟膏を使用する◆
口内炎の患部に直接塗ることで炎症を鎮め、痛みを和らげる作用がある、軟膏タイプの薬があります。口内炎ができている周りをティッシュや綿棒などで拭き取り、水分(唾液)を乾燥させます。口内炎の部分を軟膏でカバーするように塗ります。1日3~4回ほど繰り返すと、痛みが改善されてきます。
◆うがいで口の中を殺菌◆
口の中を殺菌することで口内炎を早く治すことができます。口の中は暖かく湿っているためいろいろな種類の細菌が住み着くには最適な環境が整っており、数百種類の細菌が常在しています。また、外部からも細菌やウイルスが口の中に入ってきます。口の中をいつも清潔にしていると、口の中にキズができたり細菌が入ってきても、口内炎ができにくくなります。 イソジンやリステリンなどの殺菌性や消毒効果の高いうがい薬は効果があります。患部を直接ケアする軟膏のような即効性はありませんが、普段からの予防対策としての効果は期待できます。
◆ビタミンの摂取◆
粘膜の炎症を抑え治りやすくするためには『ビタミンB2』と『ビタミンC』の摂取が有効です。ビタミンB2はウナギ、牛や豚、鳥の肝臓(レバー)、青魚に多く含まれています。1日に必要なビタミンB2の摂取量は18歳以上で、男性が1.6mg、女性1.2mg(妊婦、授乳中の場合、1.7mg~1.8mg)が理想の所要量です。 以下におすすめの食材を挙げておきます。
・大根
口内炎に効く食材として大根があります。大根にはビタミンCが含まれているうえに、消炎効果があり、口の中の菌を抑える働きが期待できます。とくに大根おろしは手軽で効果的です。
・ほうれん草
口内炎に必要な栄養素が豊富に含まれています。おすすめはおひたしです。
・ワカメ、ひじき ワカメやひじきにはビタミンB2が含まれています。
反対に、口内炎を悪化させる食べ物は香辛料が多く含まれているメニューになります。特にカレーやキムチ、唐辛子が使われているメニューは避けたほうがいいでしょう。
◆サプリメントの摂取◆
食事だけで栄養素を摂取できればよいのですが、食生活だけでは補えないビタミンがあります。足りないビタミンを手軽に摂取するのに、有効なサプリメントが市販されています。具体的にはチョコラBBやハイチオールBなどがあります。
◆レーザー治療◆
すぐにでも痛みをとりたい人にはこの方法が一番効果的でしょう。レーザーで口内炎の表面の粘膜を焼いて凝固させるというものです。痛みは少しチクチクする程度のもので一般的には麻酔をしなくても大丈夫です。ほんの2、3分で終わりますし、終わった瞬間から触っても痛みがなくなります。ただ、このレーザー治療はすべての歯科医院にあるわけではなく、また保険外診療ですので治療費が医院によってまちまちです。ちなみに当院はまだ導入しておりません。
最後に・・・
口腔内の細菌の増殖を阻止できれば、口内炎の進行を防ぐことができ、早期に治癒に向かわせることが出来ます。他に持病など無い場合は、自分で歯磨きなどで口の中を清潔に保つようにし、ひどくなる前に生活環境や栄養バランスを整えて、薬やうがいなどを上手に利用することが口内炎を早く治すポイントになります。 しかし、口内炎が1~2週間以上経っても、なかなか治らなかったり、発熱や全身に倦怠感がある、口内炎の症状が口腔内全体や口の周りなどに広がってきた場合は、感染症や他の病気の症状の可能性もあります。その場合は自分でケアをせず、早急に歯科医院に受診して下さい。
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