隠れた虫歯に要注意
2017年09月12日
歯が痛くならないと歯医者さんに行かない方も多いと思います。しかし、痛みもなく、歯に穴があいているわけでもなく、見た感じ虫歯があるようには見えないから自分には関係のない話だ。と何年も歯医者さんに行ってない方は要注意です。痛みや症状が出てから(虫歯がひどくなってから)だと治療も大掛かりになることが多く、最悪歯を抜く羽目になってしまいます。
以下に、普段痛みはないが実は大きな虫歯になってしまっていたという症例をご紹介いたします。
まずはこちらの写真をご覧下さい
この患者さんは20代の方で、今まで歯医者さんにほとんど行ったことがないとのことでした。行ってなかった理由も、痛みが出たり、歯が凍みたりしたことがないからとか。本人には自覚症状は全くありませんが、この写真の1,2,3の歯の間には虫歯があります。
解り易いように少し削った状態がこちらです。
中で茶色かったり、白く濁っているのが判ると思います。このように痛みなどの自覚症状がなくても虫歯が徐々に進行しているケースは多々あります。むしろ自覚症状が出始めたら、それは虫歯がかなり進行しているサインです。
今回は幸い深くない虫歯でしたので簡単な白い詰め物で済みました。術後の写真がこちらです。
このように虫歯が自分ではないと思っていても、歯医者さんでしっかりと調べると虫歯が見つかるというケースは沢山あります。今回のように比較的小さい虫歯では簡単な治療で済みますが、ほとんど自覚症状がなくても大きな虫歯になっている場合もあります。
そういう症例もご紹介いたします。
一見すると歯に穴が開いているわけでもなく、大した虫歯がないように見えます。しかし、実は矢印の歯は結構大きな虫歯になっています。患者さん自身もほとんど痛みは感じないが、冷たいものを飲む時にたまに凍みることがあるとのことでした。
少しだけ削った状態がこちらです。
歯の中が茶色くなっているのが判ります。しかし、虫歯はもっと中の方まで進行しています。
もう少し削っていった写真がこちらです。
結構深いところまで削りましたが、まだ虫歯が広がってそうです。このように、虫歯は表面上は大して問題がなさそうでも、中で進行していることが多いです。
このあと虫歯を大部分取り除いた状態がこちらです。
中に一部虫歯(黒っぽい部分)が残っていますが、これ以上削ると神経が見えてしまいそうなのであえて残してあります。神経がみえてしまうと、多くの場合、神経をとる治療になってしまいます。そうなると治療回数も増えますし、歯の耐久性も下がってしまいます(歯が割れるリスクが高くなります)。
しかし、虫歯を残したままで大丈夫なの?と思われる方もいるかもしれませんが、今回は残したままでも適切な治療を行えば問題ありません。この治療法に関しては今後機会があればご紹介していきたいと思います。
まとめ
今回は自覚症状のほとんどない虫歯に関してお話してきましたが、歯医者さんで行う治療のほとんどがこうした虫歯です。そのため、中には治療の必要性を感じない方もいらっしゃいます。しかし、全身の病気のように、虫歯も早期発見・早期治療が非常に重要です。小さい虫歯ほど簡単な治療で済みますし、例え経過観察ということになっても、その部分に小さな虫歯があると認識しているだけで本人が意識を持ち、それ以上虫歯が進行してこないようにケアしようとします。結果として大きな問題になりにくくなります。大きな虫歯を作らないためにも、最低半年に1回程度は歯医者さんで定期検診を受けるようにしましょう。
- カテゴリー: